【完】君に惚れた僕の負け。
とりあえずそわそわしながら、リビングで試験勉強を一時間くらいした。



心配だし、ちょっと覗いてこよ。



ノックしたけど、返事はない。



寝てるかな?



物音をたてないようにそーっとドアを開けてベッドに滑り寄る。



「って部屋暑いよ!」



つい出てしまった声に慌てて口を押えたけど、案の定起こしちゃった。



「あちー……」



むくりと起き上がる朱里くんの額から、冷えピタが剥がれ落ちた。



かけすぎた毛布のせいか、この夏日に窓全開にしているせいか。



朱里くん、汗びっしょりだ。


喉仏を上下させながら清涼飲料水を飲み込む朱里くん。



「寒いからって冷房入れながら窓開けるのはどうなの?」



タオルで額を拭くと、奪い取られた。



「換気だよ。恋々に移ると悪い」



そう言いながら目の前でTシャツを脱ぐのはやめて……。


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