恐怖症、克服しますっ!



美少女先輩からマイクを受け取る一条くん。

マイクを渡すときに手が触れたのか、頬を染める美少女先輩。


もう、見てられないよ……。



「ではっ、一条くん! 今の思いを!」



司会者の言葉に一条くんはなんと答えるのだろう。


『嬉しい』とか言うのかな。


私があの時。

ミスターコンの投票用紙に、一条くんの名前を書かなければ良かったのかな。


教室へ戻ろう。


体育館から出ようとしたとき、一条くんの声がマイクを通して聞こえる。




「好きな子に……。会いたい」



きゃーっ、と叫ぶ声。


私は、体育館から逃げ出した。


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