大人になった日に、家族を見つけました
久しぶりに、初音は笑顔になれた。詩音が少しホッとした顔をする。そして、「こっちに来て」と初音に手招きした。

「詩音さん?」

初音が近づくと、ふわりと詩音の膝の上に乗せられる。近い距離に、初音はドキッと胸を高鳴らせた。詩音の息がどこかくすぐったい。

「初音、ずっと元気がなかったよね。家で何かあった?」

優しく抱きしめられながら訊かれ、初音はボロボロと涙を流す。隠そうとしても、温もりに触れると隠せないのだ。嗚咽が漏れてしまう。

「うっ……ひっく……」

「大丈夫だよ。何があったか話せる?」

優しく頭を撫でられ、初音はゆっくりあった出来事を話した。振袖を奪われ、成人式に出られないこと、振袖を借りるお金がないこと、家族に言われた言葉など隠さず全てを話す。

「……そっか。そんなことがあったんだね」

詩音は初音の頭にキスを落とす。初音は「聴いてくれて、ありがとう」と涙を拭った。話すだけでも心が軽くなる。

「成人式に出ることが、初音の夢の一つだったよね?」
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