もう一度あなたに恋をする

溺愛!?

病院から自宅マンションに戻ると久瀬さんが数日分の荷物を作るよう言ってきた。

「昨日倒れたとこなんだ、はっきりした原因だって分かってない!一人で置いとけないからうちへ行くよ。」

待って、久瀬さん的には恋人になって数か月経っているのかもしれないが、私の中ではまだ数日しか経ってない。それなのにずっとじゃないにしても同居って・・・。


ムリー!!


「昨晩、朱音のご両親にも記憶が戻った事伝えるために連絡をしたんだ。」

あっ、忘れてた。お父さんもお母さんんにも記憶戻ったって連絡するの。
久瀬さんありがとーっと心の中で感謝していると、彼から続いて出た言葉に返事も返せなかった。

「それで原因もはっきりしないし、一人家にいるのも心配なので俺の家に落ち着くまで連れて行っていいですかって。」

久瀬さん?えっ、久瀬さんてこんな強引なタイプだった?
てか、うちの親といつの間にそんな仲良くなってんの?

「二つ返事で承諾してもらえたから。だから早く用意して。」


ハッと我に返った私はすぐさま母に連絡を入れた。

(お母さん!)

(あら朱音?あんた記憶戻ったらしいわね。よかったわね。)

(うん、ホント良かったよー。・・・、じゃなくて!久瀬さんの所に行くの、OKしたって。)

(そうよ。あんた一人は心配だし、前に病院に駆けつけた時にあんな状況の中お父さんにちゃんと挨拶と説明してくれて信頼してるからってお父さんがOKしたわよ。)

お父さん・・・。
母との電話を切った後、久瀬さんを説得してみようとしたけど・・・、負けました。
冷蔵庫の中を整理し、約一週間分の着替えを持って家を出た。

一緒に暮らすって、私の心臓持つかな・・・。
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