満月の夜異世界へと繋がりました
魔女マ−シ−Side


「こんな森の奥に倒れているなんて一体全体何があったのかしら」


「ママ!このお姉ちゃん死んでるの?大丈夫だよね?」


「大丈夫よ!死んではいないわ、ただ気絶しているだけよ」


そう言って息子であるアーサ−の頬をそっと撫でる、無理もない…薬草を取りにふたりで森に入ったところ倒れているこの少女を見つけたのだ
何処から来たのか?森に倒れていた訳は?色々聞きたいところではあったのだが自分の家に連れできてから今日で丸3日、一向に目を覚まさない彼女に痺れをきらした息子が思わず発した言葉にため息しか出なかった


それにしてもこの少女の着ている服はなんだろう、とにかく変わっていると言うのが第一印象…


「こんな服見たことない」


何処から来たんだろう、きっと良い家のお嬢様に違いない
綺麗な長い黒髪は美しく服装は髪と同じような黒っぽい服を着ているが
この辺りでは見かけないかなり上等な生地だし…彼女の意識が早く戻りますようにと願いながら目を閉じると小さな声が私の耳に微かに響いてきた


< 48 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop