極秘出産のはずが、過保護な御曹司に愛育されています
 それでも全て受け入れて、支え守っていきたいと思う。
 彼女以外の人との将来なんて考えられないから。

「一方的に想いを寄せている人はいます。いつか彼女と一緒になれたら、どんなことがあっても一生守っていきたいと思っています」
 
 俺が答えると父はわずかに目を細め「そうか」とつぶやいた。

「その気持ちを、大切にするんだぞ」

 それだけ言うと父は立ち上がり部屋を出ていく。


 まるで、自分のようにはなるな、と忠告されたような気がした。
                       
               

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