好き、なんだよ。
「あっ!奈和じゃん!」


「お、おはよう」


「どうした?元気ないみたいだけど」


「ううん。大丈夫」


「その顔は大丈夫って顔じゃないぞ~。さてはあたしと離れて寂しいんだな?」



脇腹をこちょこちょされる。


くすぐったくて自然と笑顔がこぼれた。


由紀ちゃんには敵わないな。


いつだって私の様子を伺って私を元気付けてくれるのは由紀ちゃんだけだ。



「奈和、頑張んなくていいからね。なんか言われたらあたしが言い返してやるからいつでも言って」


「うん。でも言われることはないと思うよ。私のこと軽蔑してるし」


「そっか。ヤツは全無視か。言われるのも嫌だけど無視もキツイわ。しかもまたあの3連だもんね」



なんて話しているうちに階段を登りきり、2階に到着した。


ここからは1人だ。


由紀ちゃんはいない。


1人で戦うしかない。


どうか何も起こりませんように。


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