好き、なんだよ。
卒業式が終わり、最後のHRでの谷口先生の号泣挨拶が無事終了した。
教室が一層騒がしくなっていた頃、
私は由紀ちゃんと屋上に来ていた。
「奈和やっとあたしに相談出来るようになったね。良かったよ」
「由紀ちゃんに会えて良かった。由紀ちゃんがいなかったら私本当に追い詰められてたと思う。一緒に乗り越えてくれてありがとう」
「で、今日が最後の試練」
「春くんのことなんだけど、このまま続けるべきか別れるべきか、何度考えても分からなくて...。春くん優しいし、いい人だし、私を大事にしてくれるし...」
「奈和」
由紀ちゃんが私の両手を握って語りかける。
「悩んでる時点で答えは決まってるんだよ。奈和は自分の気持ちに素直になればいい。最初から奈和が1番好きなのはアイツなんだから」
そう。
そうなんだ。
やっぱり私は、
私は香西玲音が好き。
でも......
「でも...春くんを悲しませたくない。春くんはこんな私でもちゃんと向き合ってくれた人だからそんな簡単に振ることは出来ない」
「あたしはそうは思わない。むしろ奈和に無理されてる方が嫌。絶対に1番になれないって分かってて付き合うのはしんどいよ」
そうか...。
今の私のままじゃ逆に春くんを傷つけることになってしまうのか。
「今さら偽善者ぶらない方がいいよ。はっきり言って奈和は自己中だし、優柔不断のくせに頑固。人を想い過ぎるがあまり空回りして自分が傷つく」
「うん...」
由紀ちゃんは本当に良く私を見てくれてる。
全部的中してる。
そして......
「全部捨てよう。卒業式なんだからさ。奈和の好きにすればいいじゃん。カッコ悪くても泣きな。少しでも迷うなら捨てな。そうして新しい奈和を迎えようよ」
いつだって的確だ。
教室が一層騒がしくなっていた頃、
私は由紀ちゃんと屋上に来ていた。
「奈和やっとあたしに相談出来るようになったね。良かったよ」
「由紀ちゃんに会えて良かった。由紀ちゃんがいなかったら私本当に追い詰められてたと思う。一緒に乗り越えてくれてありがとう」
「で、今日が最後の試練」
「春くんのことなんだけど、このまま続けるべきか別れるべきか、何度考えても分からなくて...。春くん優しいし、いい人だし、私を大事にしてくれるし...」
「奈和」
由紀ちゃんが私の両手を握って語りかける。
「悩んでる時点で答えは決まってるんだよ。奈和は自分の気持ちに素直になればいい。最初から奈和が1番好きなのはアイツなんだから」
そう。
そうなんだ。
やっぱり私は、
私は香西玲音が好き。
でも......
「でも...春くんを悲しませたくない。春くんはこんな私でもちゃんと向き合ってくれた人だからそんな簡単に振ることは出来ない」
「あたしはそうは思わない。むしろ奈和に無理されてる方が嫌。絶対に1番になれないって分かってて付き合うのはしんどいよ」
そうか...。
今の私のままじゃ逆に春くんを傷つけることになってしまうのか。
「今さら偽善者ぶらない方がいいよ。はっきり言って奈和は自己中だし、優柔不断のくせに頑固。人を想い過ぎるがあまり空回りして自分が傷つく」
「うん...」
由紀ちゃんは本当に良く私を見てくれてる。
全部的中してる。
そして......
「全部捨てよう。卒業式なんだからさ。奈和の好きにすればいいじゃん。カッコ悪くても泣きな。少しでも迷うなら捨てな。そうして新しい奈和を迎えようよ」
いつだって的確だ。