甘い秘めごとのそのあとに



――…『未来への投資を惜しむな』。


書店で何気なく手に取った本に書かれていた

その言葉は、わたしの心に突き刺さる一文だった。


未来を考える、高校2年生の夏。

まだ目を背けがちな卒業後のことだって、これから徐々に存在感を増してくるわけで。


中学では、「明凛に入ることが理想の未来」のようなものだった。

…それを叶えることが出来て、ありがたいことに楽しく過ごしているけれど

じゃあその後はどうするのか、と考えた時、……何も浮かんでいない自分は何とも正直だと心の中で苦笑いをこぼした。



『――…なの、希帆がんばってみようと思って!』

『………』

『あれ、紗和ちゃーん?聞いてるー?』

『あっ…、ごめんお姉ちゃん。もう一回』

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