君の専属被写体モデル。
第4章 勇気を出して




駅前のカフェで待ち合わせた。


店内に入ると、葵ちゃんは椅子に座っていた。


「葵ちゃん」


声をかけると、気まずそうに、

「この間はごめんね」

と、頭を下げた葵ちゃん。

慌てて、頭を上げさせる。



コーヒーを頼んでから私は葵ちゃんに切り出す。


「私、葵ちゃんのこと、知りたい」


目が合う。


一瞬、視線を落とした葵ちゃんが再び私と目を合わせる。

その瞳は、不安げだった。



「……私、嘘ついていた」



ぽつり、と話し始める。



< 28 / 36 >

この作品をシェア

pagetop