生きていくんだ。それでいいんだ。


「今回は被害者の門田マリに、
まんまといっぱい食わされましたね。」


「・・・・・はい。
すみませんでした・・。」


「テッちゃんや関本君が言う事は何も間違っていません。

刑事が“疑う”事をやめたら、
真実には辿り着けませんから。

相手が誰であろうともです。」


「・・・・・・・。」


「テッちゃん曰く、

10人被害者がいたら2人は、今回の門田マリのような曲者がいるそうです。」


「・・・・・・・・・。」


「私達の仕事は100点満点しか求められていません。

10人の被害者の証言を信じて、そのうち2人分を誤認逮捕してしまった場合、

世間から与えられる点数は80点ではありません。」


「・・・0点・・。」



「しかしね星野くん。
それとこれとは話が違います。」


「・・・・・・・・?」


「嘘つきと正直者がどれぐらいの割合でいようが・・

10人被害者がいたら、
10通りの【想い】があるんです。

死者が視えるその力・・君は正しい使い方をしていると思いますよ。」


「・・・・・・。」

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