リボン~もう1度君に、プロポーズ~
妊娠中の私をお兄ちゃんと雪穂さんは常に気づかってくれていた。

「自分たちも大変なのに、本当にごめんなさい」

あれは悪阻が落ち着いてきて、お腹の中の子供も順調に育っていたある夜のことだった。

3人でソファーのうえに座って一緒にテレビを見ていた時、私は兄夫婦に向かって言った。

そう言った私に、
「何を言ってるんだよ」

お兄ちゃんは笑った。

「私と風斗は、希里恵ちゃんが元気な赤ちゃんを産んでくれることが1番の望みなんだから」

雪穂さんも一緒に笑って、大きくなった私のお腹をなでてくれた。

「俺たちは一生をかけて、希里恵とその子を守るって決めたんだ。

だから、お前は何も謝るな」

お兄ちゃんはそう言って私の頭をなでてくれた。
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