やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
かなりその距離は近い。
なのに、莉緒は目をそらせない。
体が自分の物ではないように動かなかった。

「疲れた顔してんぞ」
「大丈夫です」
「大丈夫じゃない。お前が大丈夫でも、お前の体は大丈夫じゃない。」
「・・・」
和哉の言葉に莉緒は何も返せなくなる。
「自己犠牲型の仕事は長続きしないぞ。体も心も壊れる。」
「・・・」
「休むことも、長く続けるコツだろ。」
「・・・」
まじめな顔で言う和哉に何も言えない莉緒。

「俺はお前と長く仕事をしたい。いい仕事を長く続けるためには休むことも必要だって覚えとけ。」
「・・・はい」
小さい声で返事をする莉緒の頭を和哉がくしゃくしゃと撫でた。
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