愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
次の日は、今度はドライブで、関東最大とも言われるイルミネーションを見に、相模湖へ。


併設されている温泉施設で、まずはまったりしたあと、夕暮れを待って、見に行ったイルミネーションは噂に違わず、息を呑むような美しさ。


「きれいだね。」


「ああ。」


「連れてきてくれてありがとう。」


「せっかくのイルミネーションも、お前と一緒じゃなきゃ、意味ねぇからな。」


なんて、寄り添いながら、語り合ったあとは、やっぱり愛し、愛され・・・。


聡志との時間を満喫した2日間になった。


大晦日はさすがに大掃除とおせち作りの手伝いを母に命じられていて、デートはお預け。


年が明けた元日は、家族で新年を祝ったあとは、近所の神社に初詣。そして夜は、塚原家にお邪魔して、延び延びになっていた「聡志お帰りなさい会」を兼ねて、我が家と合同新年会。


「聡志、しっかりしろ。由夏を行かず後家にするつもりか?」


いいふうに酔いが回ってきたところで、ウチのお父さんが、聡志に絡み出すから


「失礼ね、今時行かず後家なんて、差別用語だよ。だいたい、私はまだ24なんだから、結婚焦らされる齢でもないし。」


とたしなめるように反論するけど


「いや、由夏ちゃん。コイツがだらしないばっかりに君に寂しい思いをさせて申し訳ない。今年こそ、ちゃんとした成績残して、由夏ちゃんを迎えに来させるから。な、聡志!」


「お、おぅ・・・。」


聡志のお父さんまで、調子に乗って、そんなことを言い出すから、聡志はすっかり押され気味。両方のお母さんもたしなめないから、ますますお父さんの気勢は上がる一方。


親が私達の結婚を心待ちにしてくれてるのは、決して嬉しくないわけじゃないけど、そんなに急かされても、ね・・・。


賑やかで楽しかったけど、ちょっと困ってしまった宴の翌日、私達はまた一緒に出掛けた。


と言っても、今日は2人きりではない。私達が電車に乗り込んで、何駅かすると


「明けましておめでとう。」


と桜井加奈、沖田総一郎、旧知の2人が連れ立って、乗って来た。
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