僕の匂いが好きらしい
クラス替えをしたばかりの頃、
その日は風が強かった。


僕は教科書が勝手に次のページへ進もうとするのがうっとおしくて、窓を閉めようとした。



「私の好きな香りだ!」



窓側の席に座っていた佐藤さんが叫んだ。


突然の出来事に硬直する。


「ねぇ、君からしてるの?かいでもいい?」


思考がフリーズして、
何も言えないでいると、
彼女は勝手に僕の匂いを嗅ぎだした。




「佐藤!!!何をやっている!!」

先生の怒り声で、ハッとする。




授業中の出来事だった。
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