不幸なお姉さんのお話
「ーーーーーーッッッッ!」


そこらにある石につまづいて転ぶ。
擦りむいたのか、膝からは血が出ている。


「…ない」

転んだ時、握っていた鍵をどこかへ飛ばしてしまったようだ。
どうしよう。
あれがなきゃ家に入れない。


「鍵…僕の鍵…」

痛みとショックで涙が零れる。もう中学生なのに情けない。





「君、どうしたの?」




声のする方へ目を向けると女の人が手を差し伸べて立っていた。

高校生くらいだろう。髪は長く、スラッとして、何より肌が白く、見える顔は綺麗だった。
いわゆる『美人』というものだろう。
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