人生を1億円で売りました。
吹き抜ける春風のような人

ー1週間後ー

結局、私と笹倉さんは婚姻届は出さず
事実婚という形を取る事にした。

笹倉さんとの生活にも
もう随分と慣れてきた。

昼過ぎに起きてきた彼は
食卓を見て微笑んだ。

恭吾「君の料理はいつ見ても
ホッとするものばかりですね。」

一見、嫌味のように聞こえるが
これは彼なりの褒め言葉だ。

1週間暮らして分かった事は
この人はほんの少しだけズレている。

恭吾「うん、美味しいです。」

結悠「ありがとうございます。」
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