美柚鳥 -みゅうへ-
第1章 みゅう、あお
私は高木藍、彼女からは*あお姉*と呼ばれている――


彼女とは、妹、美柚鳥のことだ。




4月5日 市立桜木学園入学式。

「あお姉あお姉!!!大ー変!!!ネクタイが見つからない!!!」


今日は桜木学園の入学式。

妹、美柚鳥は今日この学園に入学する。
『ネクタイがない???ちゃんと探したの???美柚鳥??』

「探したモン!!!でもないのぉ~!!あお姉の貸してよ☆」

『年によってネクタイの柄は違うの!!だから貸せるわけないっしょ。』

「え~~~~!!!」

私、高木藍は妹、美柚鳥と姉だ。

美柚鳥は今年中学生になったのにわがままだし、幼稚な子。

でも小さくてカワイイから男の子にモテるし、友だちも多かった。

それに比べて私は真面目でかわいくないからか、全くモテない。

いつもかわいがられるのは美柚鳥。

名前だって美柚鳥のがカワイイ。

藍であおって読むのも変だし、藍色って色も暗い色だし。

美柚鳥は「美柚鳥」ってどんな読み方したらみゅうってなるんだって感じに変わってる名前。

でも世界に一つしかない名前みたい。

響きも漢字も美柚鳥のがカワイイ。

でも美柚鳥は美柚鳥で自分の名前がキライみたい。

名前を呼ぶときとか皆読み方が分からないらしくて。

美柚鳥なんてなんて呼べばいいか私にも分からない。

「みゅう」なんて1回で読めるひとなんていない。

パパとママが変わってる名前にしたかったんだって。

パパの名前は、優太。

ママの名前は、美樹。

学年で1人はいそうなな名前じゃなくて、

誰ともかぶらないような名前。

それで藍【あお】

美柚鳥【みゅう】

でも、ずっと一緒に生きてきた私たち姉妹。

ケンカしながらもこれからずっと活きていくと思ってた。

それなのに・・・


「藍ー!!!、美柚鳥ー!!!ごはんよー!!!」







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