俺様天然男子
夜に、理音くんと電話をする。



早めにお風呂に入って、ご飯も食べてから。



もう、寝るだけにして、ベッドに座って電話。



「へぇ、じゃあ、もしかしたらお母さん再婚するかもしれないんだね」

「うん。あっ、そしたらあたしって『雛森』じゃなくなるのかな?」

「そうかもね。なんて呼ぼう…」



いやいや、理音くん。



あたしそろそろ『由乃』って呼んでほしいんですよ?



言わないだけで、紗雪のことは紗雪と呼ぶのに、彼女のあたしは名字で呼ぶんだもん。



あたしも名前で呼ばれてみたい…けど。



呼ばれてしまったら、照れすぎてあたしがあたしでいられなくなりそうな気もする。



「なんで、紗雪のことは紗雪って呼ぶの?」

「俺ね、紗雪の名字知らない」

「あははっ‼︎あたしのフルネームは知ってる?」

「知ってるよ」

「本当?」

「雛森はね、『雛森 雛森』だよ」

「えっ…ウソでしょ…?」

「あはっ、ちゃんと知ってるよ」



なんか、たまに意地悪。



< 158 / 640 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop