俺様天然男子
次の瞬間、体育館に響いた爆音。



心臓に、さっきまでなかった衝撃が走った感じがした。



結成3ヶ月…?



いやいや、さっきのが素人だとすれば、これはもう…プロに近い音がする。



そして、真ん中で。



モサモサと言われた大きな無口の彼が、マイクを口元に運んで、楽しそうに笑った。



すぐに、あたしの好きな、理音くんの呼吸音。



一瞬、動けなくなった人が、何人いたか。



あまりにも違いすぎる。



あの時歌ってくれたのは『軽く』だったのだと、初めて気がついた。



うまいの。



とにかく、うまい。



この曲、こんな感じだったかな…?



『本家を超える』のは、ここにも存在していた。



「えっ、やばっ…」

「何コレっ‼︎」

「すっげー‼︎」



もう、耳がおかしくなるかと思った。



みんなが知ってる、CMにも使われた曲のせいか、盛り上がり方が異常。



「由乃っ、あたし…嵐生のこと好きかも…」



まっすぐ山口くんを見ながら、小さく呟いた声は、きっとあたしにだけ聞こえた。



< 257 / 640 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop