白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)

 
 私が告白しようとしていた十環先輩は
 暴走族チーム 
 TODOMEKIのメンバーだった。


 ここまではそんなに問題じゃない。


 問題なのはここからだ。



 私が中1の時
 合併した相手中学とのケンカで
 十環先輩が助っ人をしてくれた。


 それって……


 高校に入って隠し通してきた
 バリバリヤンキーで
 ケンカ上等だった私の黒歴史を
 十環先輩が知っているってことだよね?



 ということは……


 100%ムリってことじゃん!!



 十環先輩の彼女になれる可能性が
 0・000001%すら
 残ってないってことじゃん!!



 私の初恋……

 完全に……

 終わった。



「桃ちゃん
 顔色悪いけど、大丈夫?」


 十環先輩の優しく甘い声。


 大好きな声のはずなのに
 私の耳が受け入れ拒否している。


「桃、せっかく十環が
 味噌汁を作ってくれたんだからさ。
 早く食べてやれよ。」


 龍兄の言葉にピクンと反応した
 私の脳。



 『十環先輩が作ったお味噌汁?』



 大好きな人の手料理が
 食べられると思うと
 一瞬、胸がときめいたのに。

 すぐに現実に引き戻された。



 どうせ私のことなんか……

 好きになってもらえない……




「ご飯の前に……
 シャワーを浴びてくる……」


 私は命を取られた幽霊のように
 フラフラしながら
 キッチンから逃げ出した。
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