恋を知らない花～初恋～
奥のマシーンの所に背が高く、完璧な笑顔で可愛い女性と話をしている男性がいた。
拓也だ！
きっとあの女性はお見合いの相手の子だろう。
一度写真で見たことがある程度で定かではないけどきっとそうだ。

何で連れてきたのかな？
土日はジムに通ってないことは言ってなかったし、私と会う確率だって高いのに…

私はとりあえず手前にあるランニングマシーンで運動をはじめた。
雄一さんは男性トレーナーと楽しそうにテストを受けていた。
見ていると目が合い、軽く手を振り合う。

しばらく走っていると後ろから話しかけられた。

「久しぶり。今日あいつは仕事なのか？」

振り向くと拓也だった。

「久しぶり。一緒よ。あの子が？」

私はマシーンのスピードを緩め、歩く。

「そうそう。可愛いだろ？普段運動しないらしいんだけどジムの話をしたら一緒に頑張りたいんだって。いじらしいだろ？」

「フッ、アハ、なに？惚気なの？可愛いわね。私のところにいて大丈夫なの？彼女は会いたくないんじゃない？」

「あぁ、親しい知り合いとだけ言ってあるよ。多分何かは察してると思うけど。真中は？あぁ、あっちか。こっちを睨んでる。」

驚いて雄一さんの方を向くとこちらを見ていた。
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