恋を知らない花～初恋～
「私はいいのよ。きっと結婚とかには縁が無さそうだもの。」

私が面倒くさそうに言うと皆から口々に「結衣は変わらないわね」って言われた。

「そうでもないのよっ、私この年で初恋なるものを体験したのよ。」


私がそう言うと驚いた皆から質問の嵐だった。
何となくの人物像と私が強引に迫ったこととか掻い摘まんで話をした。
皆は真中さんに興味深々な様子だったけど彼女がいる今、私が影でこんな話してたら嫌だろうなぁって思い個人情報は一切言わなかった。

その日は何だかんだと盛り上がり解散したのは始発が出たあとだった。
真由美はご主人が理解ある人で日頃仕事に育児にと頑張ってるから年に何回かの私たちの集まりは快く送りだしてくれるらしい。

「やっぱり一緒に生活して宇宙人のような子どもを立派な人間に育てないといけないんだから結婚は優しい男にかぎるわよ～！」

って真由美はいつも言っている。
きっと本当にそうなんだろうな。

解散するときに夏樹から結婚式の招待状を手渡された。
皆、その場で開封し、予定も確認せずに出席に丸をつけ本人の前でメッセージを書いて手渡した。
なんだかそんなめちゃくちゃな所が大学時代に戻ったみたいで楽しかった。
それと同時にあの頃にはもう戻れない淋しさも胸の奥にあった。
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