私にとっての至福の時間は
私の机の上には、どんと1冊のスケッチブックが置かれている。

絵を描き始めて、もう30冊目を越えたであろうスケッチブックだ。

私こと萌葱 陽彩は、現在絵を描き始めて5年目。

昔の絵と比べると、絵柄も色の塗り方も全く違う。

うわぁ……すっごい成長したなぁ。

私は、昔のことを振り返った。

私は、小学生の頃から絵を描くのが好きだった。

ほとんどの休み時間は、絵を描いたり本を読んで過ごしていた。

と言っても、落書き程度だけど。(いや、あれは落書き……なのか?)

確か、毎年自由帳が切れたからって買ってもらっていた記憶が……。

今は、小学生の絵は残ってないけど、唯一残ってるって言ったら、小学2年生の頃の作品くらいかな。

落書きの時は、正面から描いてたのに、その作品は、なぜか全部横向きの絵ばかり。

まぁ、この頃の私は、そこまで絵を描くのは楽しいなんて思わなかったけど。

私の気持ちがガラリと変わったのは、中学1年生だった。

部活に入る前は、美術部に入る気はなかったけど、少し興味があって入ることにしたんだ。

今思えば、美術部に入って正解だったなって思う。

大会の応援ポスターだったり、交通安全の旗だったり(2年生だけ)、体育館に飾る旗だったりを作ったりしたけど、基本的には自由だった。
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