ボードウォークの恋人たち
ハル宵一刻値千金

見合いの裏側


翌日、ふたば台病院勤務のハルは朝ご飯を朝ご飯を一緒に食べて何と私と一緒に出勤するという。
さすがに一緒に出勤はどうなのと思うよ?

「同じところに同じ時間に出勤するのに別々に行く意味がわからない」と朝から魔王が降臨して。
人目が気になる私は抵抗したけれど「それはもう今更だろ」と鼻で笑われた。

言われてみれば、あれだけ職員食堂や病棟でハルから二人は特別な関係だとアピールされてしまっていたのだから私も今さらといえば今さらのような気もする。
人の噂は光と同じ速度で伝わる。病院内でハルと私は婚約者と認識されているだろう。

それにハルと一緒に出勤するとハルの車で行けるからラクチンだからまあいいっか。
抵抗するのを諦めたというより、要は楽な方に流れただけ。


さすがにお互いの終業時間はバラバラだから帰りは別々。
私は仕事のあと買い物しながら帰宅して夕食を作る。

食事は作っても待たなくていい、温め直しも自分で出来るから作るだけでとハルからきつく言われている。
でもね、食べられるのなら一緒に食べたい。食事は一人より二人の方が絶対にいいと思う。
食べる相手がいないのなら仕方ないけれど、今私たちは二人で暮らしているのだからちょっとくらい待っててもいいと思うのだ。

だから後は加熱するだけという状態で先にお風呂に入ることにした。
その間にハルが帰ってくるかもしれないし。

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