完璧御曹司の優しい結婚事情
ランチはパンを購入して、自席で食べながら、飲み会の案内メールを作成していた。

「あれ、川村さん。今日は社食じゃないの?珍しいね……って、ああ、ごめんね。驚かせちゃったかな。飲み会の手配をしてくれていたのか」

作業に没頭していた時、突然課長に声をかけられて驚いて顔を上げた。

「あ、えっと、お店が決まったので、後で一斉メールでお知らせしますね」

「川村さんも今回の件に関わっていた一人なのに、飲み会の手配をやらせてしまってごめんね」

課長が申し訳なさそうにするから、慌てて手を振る。

「いいえ、これぐらいは大丈夫です。それに、当日は新人の4人が仕切るって言ってくださったので、私の仕事はここまでです」

「そうか。それならいいけど……いつも頑張ってくれてるんだから、たまには羽を伸ばして飲み会を楽しんで」

「はい。そうさせていただきますね」

穏やかに微笑む課長に、気遣ってくれたことに対するお礼も込めて笑みで返した。

太郎君の話を聞いてもらって以来、課長はこれまでに増して労いの言葉をかけてくれるようになった気がする。愛猫を亡くしてあんなふうに泣いていたから、立ち直ったか心配してくれているのかもしれない。




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