爽やか王子の裏側は




「ここでーす」


図書室から連れてこられたのは教室が少ない南舎の屋上に続く階段


南舎は移動教室の科学室とか家庭科室とかがある場所だから休み時間はほとんど人がいない


しんとしていて声が響く


「ここ涼しくて落ち着くから昼休みは大体図書室かここにいる」


へぇそうなんだ


長谷川くんは購買で買って来たパンを食べ始めた


私も自分のお弁当をひろげる


「それ西村華乃が作ってるの?」


「うん」


「へぇすごいね。妹とかにも?」


「うん。大体は私が作ってるけどたまに弟が作ってくれることもあるよ」


「仲良いんだな」


まあずっと3人で暮らしてきたようなものだから


「ほぼ毎日すれ違ってたんだけど、弟も妹も言われてみれば西村華乃に似てるかも」


?


「律儀なところとか」


「律儀?」


「俺を見かけると2人揃って頭下げてさ、めっちゃいい子じゃんって思ってたから」


そうだったんだ


「あと笑い方」


笑い方?


「なんか…わたがしみたいな」


わ、わたがし


わ、わた…


ふ、


「あはははははっ」


思わず笑いが溢れる


「わ、ふふふわたがしって、あははっ」


「え?」


「もう少しっふふふわかりやすい例えなかったの?あははははっ」


爆笑する私を横目に固まる長谷川くん


「でも…やっぱりわたがしみたいだね」


私の笑顔を見てふふっと笑いをこぼした長谷川くん



声の響く階段でしばらく2人で笑い合った


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