爽やか王子の裏側は



「園川くん」





「えっと…中山さん」


だったはず…


「あの…私ずっと前から園川くんのことが好きです。付き合ってください」


あー…告白か


まあとりあえず


「ごめんね」


「どうして?」


え、どうしても何も…


「今は彼女とかいらないかなって」


「…そうなの?」


いつも同じ言葉で断る


何度目かの体験


うざいとは思ってたけど


こうやってちゃんと気持ちを伝えてくる場合は


まあ突き放す必要はない


一番マシな解答をしているつもりだ



「…気になってる子とかいないの?もしいないんだったらお試しでも!」


んー

しぶといなぁ


「いや、本当に…」


「本当に好きなの!もし好きな人とかいないんだったら、に、2週間でもいいから」


え、えぇ


思ったよりもしつこいな


何、気になってる子がいれば折れてくれるの?


「お願い!」





「き、気になってる子がいるから」


「へ?」


「ちょっとだけ…気になるなーみたいな子がいるから…だからごめん」


…これなら


「…本当?」





一瞬、脳内をよぎる顔



「…うん」


「…そっか…なら仕方ないね…」



ものすごく小さな声でそう言う


そのまま決まり悪そうに走って教室を出て行った


…はぁぁぁぁ


なんか疲れるなこれ…



気になってる子がいる…か



一瞬よぎった顔が…西村だったなんて


きっとそれは俺の勘違い…?






行こ


音楽室に



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