爽やか王子の裏側は



「華乃ちゃん!」


教室に戻ると少し焦った顔で日菜ちゃんが出迎えてくれた


「どうした」


「春海くんにハチマキ誰とも交換しないでって言われた」




私と同じですね状況



「どうしよう…変に期待しちゃってもいいのかな」


期待?


「わ、私はね?自分以外の誰とも交換して欲しくないっていうふうに聞こえるんだけど」


…そういうことじゃないのかい?
(西村華乃は左様なことに大変鈍いです)


「そういうことだと思うよ?」


「…やっぱりそうだよね!」


え、やばい適当に返しちゃった


あってるのかな

いやでもあってるよね


「私、ハチマキ渡した時に告白してみる」





「ほんと!?」


「うん」


日菜ちゃん!!

ついにあなたが自分から言う時が来るとはっ

わたしゃ嬉しいよ


「頑張れ!」


「うん、頑張る!」




自分以外の誰とも交換して欲しくない


…?


それって園川くんも?そう言うこと?


…いや、そんなわけないか


でも、だったらなんで交換しなくていいよって言ったんだろ


いやいや、


交換しないでじゃなくてしなくていいよだったから


お前なんかのハチマキもらうやついねぇだろってことかも


…流石にそれはないか…



いや、あの園川くんだぞ


常識覆してくるかもしれない


1人で永遠と自問自答を繰り返しながら頭を抱えた



< 207 / 292 >

この作品をシェア

pagetop