年上同期の独占愛~ずっと側に
不信感
お店に着き、店員さんに声をかけると、「奥の個室です」と言われ、奥の個室といってもたくさんあるのになー、と思いながらお店の奥に進んでいく。
すると、目の間を小野君らしき人が横切った。小野君と合流すれば部屋が分かるな、と思い追いかけると、外に出たところでタバコを咥えたところだった。小野君はタバコ吸うもんな、と思いながら近づくと、誰かと話している声が聞こえる。
乗り出してちょっと見てみると、今日は来ないとばかり思っていた林君だった。大阪からわざわざ?それとも仕事のついでだろうか。何となく声を掛けずらく様子をうかがっていると、萌々ちゃん、と私の名前が聞こえてきた。立ち聞きなんてよくない、と思うものの、体が動かない。

「え?大阪で?」

「合流するはずのあっちゃんが来られなくてさ。」

「だから、チャンスだったんだろ?そこまで強引に付いて行って、何も無しかよ。」

「だって・・」

「だって何だよ。結婚前に1回くらいやっちゃえばよかったのに。彼氏と別れたばっかりだって言うし、押し倒しちゃえばチョロいだろ。」

小野君・・・?・・・だよね。
いつも、お酒の弱い私を気遣って、大丈夫?っ声かけてくれて、駅まで送ってくれて、亮が迎えに来てくれるまで一緒にいてくれて・・。
やっちゃえばよかったのに、って、何?チョロいって・・・

それに、結婚って・・。林君、結婚するんだ。結婚が決まってて、結婚前に一夜の遊びで私にちょっかいを出したってことか。
林君も、小野君も、大事な同期で友達だと思っていた。二人も私のことそう思ってくれていると思い込んでいた。なのに・・・物みたいに、やっちゃえば、とか。。

ショックで、悲しくて立っていられなくなる。
座り込んで俯いていると

「萌々香?」

と頭の上から声をかけられた。亜都子だ。

「萌々香、どうしたの?部屋こっちだよ。
・・・もしかして、たくさん飲んだの?気分悪い?」

亜都子の声に、小野君と林君が近くまで来る。小野君が焦ったような顔をして私を見つめた。

「萌々ちゃん・・・・」

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