裏切り

叔父・哲也


「母さん、ただいま。」
「おかえりなさい。」

久々に母をみた。
この人は、老けると言うことを
知らないのではないかと
思ってしまうほど
綺麗で、キラキラしている。

「母さん、また、ガーデニング?」
「そうよ。やってもやっても
きりなくて····楽しいの」
「本当に、好きだよね。」
「そういうあなたも好きでしょう。」
「まぁね。仕事でもあるし。」
「うふっ、そういいながら
よい仕事してるわよ。」
「そう、ありがとう。」

母は、
私が手掛けた仕事を全て
スクラッチブックに大切に
保管してくれている。


母さんのガーデニングを
少し手伝う。

やはり、母さんは
すごいなぁと
思いながら
手法を訊ねたりした。

一仕事終え
夕飯を食べながら
母さんが
「何かあったんじゃないの?」
と、言われて
なぜ、わかるのかな
と、思っていると
「何年、あなたの母親していると
思っているの?
で、話してくれる?」
と、言われて
苦笑いしながら
大典の話をした。
もちろん、夏海の話も。

すると、母が
「千亜季は、大典君の浮気より
お父さんの居場所を汚された事に
ショック?怒り?を感じてるのね。」
と、笑う母に。
「母さん!!」
と、言うと
「ごめん、ごめん。
ただ、あなたがお父さんの部屋を
大切にしてくれているのが
嬉しくてね。

千亜季、いくら部屋を
クリーニングしても
嫌な思いは、消せないから
出なさい。
お父さんもきっと
大典君に呆れてるわよ。
後は、あなたの好きなように。
ここから、通っても良いし」
「ありがとう、母さん。
ごめん、父さんが大切にしていた
部屋なのに。
でも、まさか大典に浮気される
なんて。
それも、友人だと思っていた
夏海に。
友達だと思ったことない
と、言われたけどね。
母さん、哲也叔父さんに
お願いしていい?」
「二人には、幻滅したわ。
哲也には、私から連絡するから。」
と、母は、その場で
母の弟である
奥菜 哲也(哲也叔父さん)に
電話してくれた。

叔父さんは、父が亡くなってから
母と私を気遣ってくれている人で
弁護士を職業としている。

母と叔父は
昔から姉弟仲が良かったみたい。

翌日、哲也叔父さんは、
母の家にきてくれて
私と打ち合わせをした。

個人的には、
大典を抹消する勢いだった。
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