裏切り

浮気


そんな生活の中·······

梓は、更に······

飲み会だ。
休出だ。
夜勤だ。
と······家にいることが
殆どなくなり
夫婦の会話もなくなっていた。

「なぁ、家のことも
少しは、やる気ないの?」
と、言うと
「はぁっ、
お互いに働いているのだから
やれる方がやればいいじゃない。
それに、翼君は夜勤とかないし
実は私、家事得意ではないから」
と、言いだす始末で・・・・

今では、掃除も洗濯も
俺が全てやっている。
朝食も自分っ作って、
食べてから出勤している。

数日前の夜、
誘ってみたが·····
「疲れてるの。」
と、言ったから
「いい加減にしろよ。」
と、部屋着を引っ張るあげると······

梓の胸元に無数の
キスマークがついていた
消えかけているのから
真っ赤ものまで・・・

「あっ、こればぶつかっただけ」
「ぶつかったのなら
レントゲンを撮るか?」
と、わざと言うと
「いや、だっ、大丈夫。
冷やせば落ち着くから。」
と、言いながら部屋着を元に戻す。

俺は、落胆よりも
なる程、そう言う事か
と思っただけで
そう言えば、もう何ヵ月も
そんな関係はなかった。

俺はそのまま
マンションの部屋を出て

従兄の店に行き
事情を話した。
「だから、俺は
あの女が嫌いだったんだ。
胡散臭い、男好き」
と、言ってから
「調べて貰え」
と、言った。

従兄が知り合いの探偵に
依頼してくれて
すぐに動いてくれた。

その報告は········· 

梓の相手は、若い研修医だった。
研修医の寮の部屋や
宿直室、ラブホテルで
毎回、情事を楽しんでいるようだ。

もう、好きにしてくれ
と、言う感じしかなかった。
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