裏切り

哲也side


姉からの着信に·······

「姉さん、どうしたの?」
「あっ、哲也?
あのね、千亜季と連絡が
とれないの?」
「えっ?千亜季?仕事だろ?」
「そうだとよいけど
もう、10回位電話してるけど
一度も出ないし
折り返しもないの」
「まず····は。
姉さん、落ち着いて
千亜季は、仕事だよ。
俺、帰りに寄るから。」
と、姉に話してから電話を切った。

姉は、夢で千亜季が
泣いていたの
とても悲しい顔をして泣いていたの
大典君の離婚を決めた時も
泣かなかったのに。
と、心配するから·······

俺は、仕事を途中で切り上げて
千亜季の部屋に向かった。

問題などなくて
姉さんの取り越し苦労だと思うが、
姉に頼まれると弱い俺だ。

千亜季の部屋に向かい
ブザーを押すと

少しして、ドアが開く
ほら、やっぱり
問題ない。
と、思っていたが·······

千亜季の泣き顔を見て
自分に怒りが沸く
姉さんが心配した通りだった。

千亜季を落ち着かせ
話を聞き出す·······と·····

進藤さんと····千亜季が······

産婦人科から出てきたのは
元嫁だろう
進藤さんの事だから
なんか理由があったと思う····が····

だが·····なぜ······

千亜季は、泣きつかれて
寝てしまった。

旦那と離婚の時も
こんな風には
ならななかった······

千亜季をベッドに寝かせた。

服もそのままだけど仕方ない。

目は、何度か冷やして温めてを
繰り返し
姉に連絡をして、簡単に話した。

姉は心配していたが
哲也がいてくれて良かった
と、少しだけ
安心したような声色だった。

千亜季を置いては帰れず
俺は千亜季の顔をみていた。
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