裏切り

翼side


先生から夜遅い時間に連絡があった。
「いま、千亜季を送り届けたもので
遅い時間にすみません。」
と、言われた。

先生は、会えるんだ····と
思うが·····

「翼さん。
今、私は、千亜季に会えるんだ
と、思ったでしょう?」
「······えっ、あ~、はい。」
と、答えると先生は笑いながら
「翼さんのそういうとこが好きだな」
と、言われて恥ずかしかった。

ただの、嫉妬だ·····

それから先生は、
「千亜季が会うそうです。」
「えっ、ほんとですか?」
「でも、すみません。
私も一緒にと言っています。」
「構いません。
先生、本当にありがとうございます。
毎回、俺は、先生に
助けて頂いています。」
「正直、千亜季がどうでるか
私には、わかりません。
だからこそ、会って話してみて下さい。」
「はい。
もし今回理解してもらえなくても
嫌われたとしても
俺は、千亜季さん以外と
この先を生きて行くつもりは
ありません。
本当に、だめでも····
好きのまま、生きていきます。」
「翼····さん····そんなに·····」
「先生、本当にこんな気持ち
初めてなんです。
俺、昔から表情がなくて
何を考えているのか
わからないと言われてきました。
自分でも努力もしました。
だけど、千亜季さんは、
俺に表情がないとかありえないと
笑ってくれるのです。
俺は、千亜季の優しさも
一人で頑張っているとこも
負けず嫌いなところも
仕事に誇りを持っているところも
ほめると恥ずかしそうにする
可愛いところも全てが好きです。

私の為に時間を作ってくれて
ありがとうございました。
明日、頑張ります。」
と、伝えた。

先生は、「ありがとう」
と、言って電話を切った。

明日の夜、先生の知り合いの
店で千亜季に会う。

全てを聞いてもらおう
ダメでもあきらめない。

千亜季、忘れないで
俺の·····ことを·······
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