病院嫌いなナース
【中村サイド】


医局で仕事をしていると、真湖ちゃんの血液検査の結果が届いた。


「うわー…」


思わず低すぎるヘモグロビン値に声が出てしまった。真湖ちゃん、貧血ほっといたな…。輸血適応だろ…。


高「悠斗おつかれ〜」


外来を終えた凉が声をかけてきた。


「お疲れ様。さっきはありがとな。」


高「全然大丈夫だよ。それにしても、凄い嫌がりようだったな。」


「あぁ。」


真湖ちゃんの採血の嫌がりようは半端なかった。何歳児か突っ込みたくなるほど。


病院嫌いにも程があるだろ。なんか、トラウマがあるのかもしれないけど…。


「真湖ちゃんだいぶ重度の貧血だったよ。多分ほっといたんだと思うけど。」


高「採血しただけで、一瞬意識失ったんだから、そりゃそうだろうな。」


「それより、真湖ちゃんの紙カルテ見つけちゃったんだけど。昔のやつ。」


高「え、まじ!?」


「ほら、これ。涼にも協力してほしいんだけど」


涼にも、真湖ちゃんの紙カルテを見せる。


高「おぉ、本当だ。もちろん協力するよ。」
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