王子様の溺愛は、とことん甘い【番外編追加済み】
そこに、聞き慣れない声が聞こえて動きがピタリと止まる。
「…母さん、いつからいたの」
「ちょっと、母親に対してその言い方はなんなの?彼女と私じゃ、随分態度が違うじゃない」
…………え?
今、詩音先輩「母さん」って言った…?
詩音先輩から「母さん」と呼ばれた女の人も、「母親」とかって…。
「…詩音先輩のお母様、ですか…?」
確認のため、一度詩音先輩から離れて向き直る。
すると、その人は首を縦に振って
「えぇ、そうよ。初めまして、詩音の母の香月百合子です。いつも詩音がお世話になっております」