好きな人に好きって言われすぎて困っています!
「あーやなちゃーん、今日も好きだよー」

げ、また来た。私、朝倉彩奈(あさくらあやな)には、悩みがある。それは、高ニになってから、毎日のように好きと言ってくるクラスメイト、神谷光星(かみやこうせい)のことだ。

「うるさい、神谷。いい加減やめてって」
「あ、もしかして彩奈たん、照れてる?」

はぁ!?

「バッカじゃないの!?………てか、彩奈たんやめて!」

もう、ほんとに彩奈たんなんて呼ばれたら、意識しちゃうじゃん………。

「えぇー、いいじゃーん。可愛いんだからさ!」
「よくない!」

いろんな意味で心臓持たないんだよ!

「ちぇー」

私は、ムッ膨れながら先に教室に向かう神谷を目で追った。そう、私、彼が好きなんです。でも、毎日からかってるような感じで好きって言ってくるから、それを本気にすることも、私の方から好きっていうこともできない。あーもう、どうすればいいんだよー!

「光星くーん、おはよー!」

そんなことを考えてると、クラスの女子の一人、早坂椿姫(はやさかつばき)が神谷に声をかけた。

「おー、おはよー」

彼は、軽く挨拶を返しながら自分の席へと歩いていった。

「ねぇねぇ、あたし、前髪切ったんだぁ。どうかな〜?」

早坂さんは、しつこく席まで追いかけていってまた話しかけていた。早坂さんは、学校でも有名な神谷好きだ。当の本人は気づいているかわからないけどね。

「もちろん似合ってるよ。可愛いね、椿姫ちゃん」

こ、このチャラ男………。早坂さんってば、キャーキャーはしゃいじゃって……。

「でも、彩奈ちゃんのほうが可愛いかなー」
「!?」

な、なんでいきなり私の名前が!?

「っ………!そ、そうだよね〜、朝倉さん凄く可愛いもんね!」

早坂さん、それ絶対思ってないでしょ。目が怖いよ………。

「私なんて、全然可愛くないよー。早坂さんのほうが可愛くて女の子らしいから、神谷とお似合いだと思うけど!?」

慌てて言う。早坂さんを敵に回したくないからね。

「えぇー?そうかな〜?嬉しい!ありがとう、朝倉さん。朝倉さんて、凄くいい子なんだね!」

あはは、と曖昧に笑っておく。

「でしょ?彩奈たんって、可愛くて性格いいんだよ。俺には冷たいけどね」

な、何それー!

「へぇ、光星くんのこと嫌いなのかな〜」

え………!?

「………かもね」

う、うそ………!違うよ、違うんだよ、神谷!

「ち、ちが………!」
「………でも、俺には、俺のことが好きすぎて照れてるようにしか見えないなー」

!?な、なな………!

「ば、バカ!そんなわけ無いでしょ!」

つい、大声出しちゃった。

「ふーん。………朝倉さん、彩奈って呼んでもいいかな?」
「へ?別にいいけど、なんで………?」

なんで急にそんなこと言うんだろう。

「ん?なんでって、そりゃあ朝倉さんと仲良くなりたいからだよ!」

う、嘘くさい………。絶対、神谷と私の事勘違いして嫉妬して、邪魔しようとしてるんだ………。

「そ、そっか!クラスメイトなのに、あんまり話したことなかったもんね!」

必死に作り笑顔。疲れるな、この子。

「うんうん!だから、私のこと椿姫って呼んで?私も彩奈って呼ぶからさー!」
「わ、わかったー」
「やったぁ!ありがとね、彩奈!」

ふぅ………。なんとか無事に?会話を終えることができたな………。そんな私達の会話を、神谷がどんな顔で聞いてたかは、私にはわからなかった。
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