美術室のユーレイ
ユーレイの友だち



美斗くんと出会ってもうすぐ1ヶ月。


そんな私には最近悩みがある。


それは



「舞空ーみてみてー」


美斗くんに名前を呼ばれるたびにドキッとしてしまうことだ。


それだけじゃない。



美斗くんは今、太めのポスターカラーを頭の上に乗せ、バランスをとっている姿を私に見せびらかしている。


いつもなら「ばかなの?」と思ってしまうこんなくだらないことでも、


今は愛おしいとさえ感じてしまう。



…私、どうしちゃったんだろう。


「舞空?どうかした?」


ポスターカラーを机に置き、私の顔を覗き込んできた。


「っ!」


ち、近い…!


私は反射的に美斗くんと距離をとる。


「え、なに」


明らかに不審がる美斗くん。


ま、まずい。なにか言わないと。

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