駄目だと知りながら

その日、私は仕事でミスをし落ち込んでいた。

「はぁ…どうしよう…。」

ガチャッと扉を開く音に振り向くと
そこには上司が居た。

「またここで落ち込んでるの？そんなに落ち込まなくても今口さんのせいじゃないからね。」

また人が落ち込んでる時に優しい言葉をかけにきたな！と思ってはいたが、そんなとこに私はいつも支えられている。

「でも私…」まで言いかけたところで何故か涙が出て言葉が詰まる。

また迷惑をかけてしまったのと自分の情けなさに言葉すら見つからない。

そんな私を見て上司が「おいで」と言い優しく抱きしめてくれた…。
生きてきた中で、こんなにも優しく抱きしめられたのは初めてだった…。