溺愛婚約者と秘密の約束と甘い媚薬を



 そして、もう1つ苦しめた事。
 それはいよいよ始まった体の異変だった。


 「………くっ………」


 風香は歯を食い縛り、激痛に悶えながら頭を抱えた。
 突然襲ってくる頭痛。風香はそれに怯えていた。

 昼間になる事が多く、風香はなかなか仕事が進まないでいた。


 「風香、大丈夫?」
 「………柊さん………」


 昼間にも関わらず、柊は自宅へと戻ってきてくれた。風香が一人の時に頭痛になったら、柊にメッセージすることになっていた。電話するのもメッセージするのを辛いため、SOSというスタンプだけ送信していた。仕事が抜けられない時以外は、こうして風香の元に駆けつけてくれるのだ。


 「ごめんなさい………」
 「気にしないで。それより、また頭痛酷いのに仕事しようとしてたでしょ?ダメだよ……」
 「だって納期が……」
 「間に合うよ。大丈夫だから………明日頑張ろう」


 そう言って、柊は風香を抱き上げて寝室へとつれていってしまう。
 風香は自分自身が情けなくて仕方がなくなってしまう。けれど、柊は「誰もそんな事おもってないさ」と、優しくそう言ってくれるのだ。



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