東京血風録3 キラーズ・コード【改編版】
血風“2”
正式名称・遥奥義血風吹きあれんver.2
NEXT GENERATION

切先から伊號丸の赤の気流、手元から遥の蒼の気流、真ん中で合わさり紫の気流となる。最終最大奥義である。

遥と摂津、二人が重なる時、遥の木刀は摂津の腹を貫いていた。
紫の気流はぐるぐると勢いを増し、摂津の身体に穴を穿ち始めた。
ぐぅおぁあ〜!!!
摂津が絶叫した!
重なり落ちながら、残った牙で噛みつこうとするのを、木刀を振り摂津を投げ飛ばす事で回避した。
遥は落ち、摂津の体は柊一の横へ落ちた。柊一は力果てていた。真琴の援助無しではすっからかんである。すかさず柊一は護符を投げもせず、被せる様に摂津にかけた。
手を組み念じる。
ぐお〜〜〜⁉︎
摂津が更に絶叫する!
そして驚きの行動に出る。
側に来ていた結界の石を左脚が越えた。
人脚から煙が上がり、ぶすぶすと燻されていた。
が、その脚に触れた大鉄が弾かれた様に起き上がった。そのまま、その近くの大鉄と無良の背中を叩くとそいつらも起き上がった。
御様の結界が発動した際、摂津の呪縛から逃れたが、息を吹き返したのだ。

肩から血を流し、動けないまま飛鳥は焦っていた。結界は破れないだろうが、あのパワーとスピード、今の自分では守れない。祖父たちの繋がりを知った今、何としても守りたい!そう願うが体が動かない。
考えると、ギョッとした。
彼ら、大鉄と無良は元は人間なのだ。
人間に鬼児を取り憑かせて操っているのだ。鬼児が結界に影響されるかは分からないが、人体だけなら結界の石を動かす事は可能なのでは?
そこに気付いたが、彼らの行動は。

最初の大鉄は、摂津の脚を引いて結界の外に出そうとしていた。
無良は、思い切り跳躍して結界の壁を上から蹴り通ろうとした。
もう一人の大鉄は、結界の石に掴みかかっていた。
摂津の意思が伝達されてなく、それぞれの行動となった。
結果。
摂津の脚を引いたが、燻された脚はその引きに耐えきれず、派手な煙をあげて引き抜かれた。
無良は、飛鳥の想像通り体が結界をすり抜けた。しかし、胸まで入った所で鬼児が抜き出て、体は落ちてきたが、鬼児は結界の壁で霧散した。
石を持ち上げようとした大鉄は、屈んだ所、遥の突きを喰らい鬼児が飛び出して爆砕した。
飛鳥の杞憂は逸したのだ。

ぶすぶすと胸からと腕と脚からと全身煙を上げる摂津秋房に、遥は近づいた。
「これで、決着だ」
摂津は答えない。
真紅の眼が、遥を見据える。
「越えられなかった。これで満足かい?
納得したのか?」
遥の問いに、
「永いな、150年は」
と言い、目を閉じた。
遥は木刀を正眼に構えた。
【止めじゃな】
真紅の木刀を振り下ろした。
刹那。
摂津の身体は、内部から爆発した。








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