人格矯正メロディ
「ナツコ、あんたねぇ!」


ナツコへ視線を向けて同じように怒鳴ろうとするが、その声は途中で途切れてしまった。


同じような、人を見下してバカにした笑顔がこちらへ向いていたのだ。


2人だけじゃない。


気がつけば、クラス中からその笑みがあたしへ向けられているのだ。


ユウカもコトハも田村も……みんなみんな、あたしを蔑んでいる。


「やめてよ……」


あたしは震える声でそう言っていた。


みんなから逃げるように後退し、ドアの前で立ちどまる。


「そんな風に笑うのやめてよ!!」


怒鳴ると、口から血が流れ出た。


殴られた時、頬の内側が切れてしまっていたようだ。


でも、今はそんな痛みも感じなかった。


ただみんなの笑顔が怖かった。


無言で見下され、バカにされているような気分だった。


「なんでそんな目で見るの!?」


あたしはそう怒鳴り、教室へ入って来た先生を突き飛ばして逃げ出したのだった。
< 187 / 202 >

この作品をシェア

pagetop