人格矯正メロディ
あたしは1人、唖然としてその場に立ち尽くしてしまった。


人の彼氏の写真が、どうしてそんなにおかしいんだろう?


海はそんなに変な顔でもないのに、どうしてバカにするんだろう?


徐々に鬱屈した気持ちがせり上がって来る。


こんなイジリに負けてたまるかと思いながらも、悔しさが止められなかった。


あたしは立ち尽くしたまま下唇を噛みしめた。


「まぁまぁ、好みは人それぞれだからね」


ようやく笑いが治まって来た香澄が言う。


「いいんじゃない? 引きこもりのことが好きでも」


その言葉にあたしは凍り付いた。


さっきまでの悔しさや怒りは一瞬にして消えて行き、代わりに全身に冷や水を浴びせられたような気分になった。


あたしは目を見開いて香澄を見つめる。


どうして香澄は海が引きこもっていることを知っているんだろう。


嫌な予感で胸が押しつぶされてしまいそうだった。


心臓は早鐘を打ち始めて、全身に冷たい血液を送り続ける。
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