不器用オオカミとひみつの同居生活。


そして今に至る、んだけど。


あれはどう見ても全治1ヶ月とかの怪我だった。


傷はまだ目立つけど体調面に問題はなさそうで、

なんでこんなにピンピンしてるのか不思議でならない。


本当に同じ人間なのかな。



「なあ、俺のこと待ってたの?」


「待っ、てないことも……ないですけど、」


だって、だって



「は、花平くんも同じだったし……クラス、私と」


今回の一件で連絡先を交換していたから、同じクラスだったことを送ろうと思ったけど、驚かせたくて黙っておくことにしたのに。


結局、来ないし。プリン食べたってメッセージ来るし。


ふくれながら、カバンから出したプリントを花平くんに差し出す。



「なにこれ」

「お知らせのプリントです。サボり魔花平くんの分」


何枚かあるプリントをぱらぱらとめくって、花平くんはそれを机の上に置いた。


絶対ちゃんと読んでない。

だから直々に伝えることにした。



「ハッピーサプライズですよ、花平くん」

「バカっぽい発言」

「うるさいですね……じゃなくて!今年のオリエンテーションはひと味違うらしいです!ほら、二枚目のプリント」


花平くんは一枚めくってその内容に目を通したあと、「へぇ」と言った。


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