不器用オオカミとひみつの同居生活。
……いや、違う。
彼女はもうこの世にはいない。
目の前の美里は消えていた。
しかし、
すべてが幻覚だったわけではないらしく……
「……君は、この前の」
さきほどまで美里のいた場所に立っていたのは、いつかの女の子だった。
「茅森です。以前は大変失礼いたしました」
深く頭を下げる彼女の後ろにいた人物から、目が離せなくなる。
また幻覚を見ているのかと思った。
「……綾人、」
なつかしい碧眼が……すこしの間のあと、すっと俺を捉えた。