前略、結婚してください~過保護な外科医にいきなりお嫁入り~
誰よりもそばにいたいのです

 末永さんとの飲み会は私の相談が三割、彼女の愚痴が七割といった具合で、久々に女同士の楽しい時間を過ごした。

 末永さんはとても気さくで明るい人だから、頼れる職場の先輩かつ、私でも自然に会話ができる数少ない友人のひとり。いつか明神先生とのことも打ち明けたいと思っている。

 その彼とも連絡を取り合い、デートする日はその週の土曜日に決まった。

『ほどよく女子力高めな服にしたほうがいい』と末永さんにアドバイスされたので、悩みに悩んでロング丈のプリーツスカートにブラウスの定番コーデに決めた。

 一応スカートの色はピンクベージュにして、ヒールのあるパンプスも合わせて女らしさを意識したつもり。

 迷っている最中には、ひとりファッションショーをしているところを大地に見られ、『どれでもいいって。全部可愛いから』と呆れ顔で返された。この弟はアテにならないので、やっぱり末永さんに相談してよかった。

 セミロングの髪の毛は綺麗に梳かし、今日は縛らずに鎖骨の辺りで揺れている。これも末永さんの『いつも縛ってるから、そのギャップを見せるのよ』という助言通りである。
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