私、悪い子じゃないよ、いい子ダヨ


 従兄弟たちを連れて手洗い所に行き、手を洗う。

 みんながみんな、おせちを楽しみにしていたので食卓についてからはキラキラした瞳を運ばれてくる重箱に向けた。



 祖父が日本酒の入ったグラスを掲げ、

 「今年も幸せな年にしていこう!」

 カチッとグラス同士の当たる音が一瞬響く、が、それもすぐその後の話し声をかき消える。



 大好きなおせちを箸で突きつつ、嫌な思い出とともに飲み込む、おせちの味に気分が良くなったのか、次第にしかめっ面が消え、幸せそうな笑みが溢れる。


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