泡沫の記憶

「はー…よかった
…
あの…ありがとうございました」



「合ってた?オレの下手な演出」



「助かりました
ホントにありがとうございました」



「なら、良かった
じゃあ、気を付けて帰りなね」



「あの…
帰るとこなくて…
…
あの…
良かったら、泊めてもらえませんか?」



「は?
良くないけど…」



「ダメですか?
とりあえず今日だけでも…」



「ダメでしょ!」



「ホントに困ってて…」



「オレも困るし…」



「家族とか、彼女とかいるんですか?」



「いや…どっちもいないけど…」



「じゃあ…」



「ダメ」



「なんで…?」



「普通、泊めないでしょ
今ここで会ったばっかりの知らない人
…
キミだって、こわくないの?
知らない男の家に泊まるとか…
せめて女の人に声掛けなよ」



「こわくないです
オジサン、いい人そうだから…
今だって助けてくれたし!」



「…いや…
オレがこわいわ!
…
なんなの?キミ
家出少女?
まさかさっきの奴等とSNSとかで知り合って
泊まろうとか思ってた?
そんなことするヤツ、ホントにいるの?
事件じゃん!」



「います!私です!」



「…
じゃあ、余計なことしたね
ごめんね」



呆れた?

男性は私をおいて行こうとした



「待ってください!」



「なに?
他、探して…ごめん」



だよね…


私は
いけないことをしようとしてた



「オジサン
ありがとう
教えてくれて…」




実家、帰ろうかな…


お父さん、お母さん、元気かな…



でも

やっぱり…帰れないや…




< 193 / 297 >

この作品をシェア

pagetop