泡沫の記憶

オジサンが私に恋話を話してくれたみたいに

私もオジサンに話した



聞きたくなかったかも知れないけど

オジサンは黙って聞いてくれた



初めて人に話した



友達にも言えなかった



両親にもバレて
みんなに迷惑かけた



だから実家にも帰れなかった



独り暮らしもダメ!って

また私が叔父のところに
会いに行くんじゃないかって
両親から信用されてなかった



大学入学と同時に親と喧嘩して家を出た



「私もオジサンみたいに
人に誇れるような恋愛したかったな…」



ずっと隠してた



「誇れる…って…
別にオレも自慢したかったとかじゃないけど
なんかキミ見たら話したくなった
…
誰にでも話してるわけじゃないし
今だから言える話
…
やっぱり、当時は辛かったよ
ショックだった
あー…
あの時、付き合っとけばよかったーって
…
キミがした恋も
時とともにいい思い出になるといいね」




オジサン

聞いてくれてありがと


いい思い出になる時なんてくるのかな?


やっぱりオジサンは優しい人だね



「キミはまだ若いんだからさ
またキラキラした恋できるだろ
…
オレも大学の時は
それなりに彼女いたし
…
人並みに恋愛してたよ
…
キミも辛かった分
これから幸せになれるよ
…
幸せな恋愛しなよ
…
それから、実家帰れよ
心配してると思うよ、キミのこと」



「そしたら、もぉここにいれない?」



「殴られたら、戻って来れば?
…
あ、殴られるのはオレかな?
オレは悪いことしてないよな?
そこ、ちゃんと説明しろよ!
…
大丈夫
きっとみんな、キミのこと待ってるよ」




うん

親切なオジサンに助けられて

私は今

元気だよ



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