泡沫の記憶

オジサンの溜息が聞こえた



あぁ…やっぱり

嫌われた



「オレは…
もう少しかな…
…
もう少し、ここにいてくれる?」



「え…」



「もう少し、ここにいて…
…
そしたら、キミのこと好きになるから…
…
流れとか嫌だから…
ちゃんと、好きになりたい
…
キミがここに来た日から
好きになったらいけないと思って
毎日生活してたから自分をセーブしてた
…
だから、もぉ少しかかる
キミをちゃんと好きになるの
…
好きになってもいいの?
キミのこと」



私が今好きなこの人は

オジサンなのに

なんでこんなに心が綺麗なの?



10代がするみたいな

恋をしようとしてる



なのに

私を傷付けないように

守ってくれる大人の心を持ってる



「…うん」



「それまで…
…
オレがキミを好きになるまで…
キミはオレのこと好きでいてくれるかな?」



「…うん
たぶん、大丈夫…」



「たぶん…ね…」



オジサンは笑った



オジサンが好きになってくれるなら

私

待ってるよ



たぶん…大丈夫



オジサンは

きっと私を好きになるから



< 236 / 297 >

この作品をシェア

pagetop